ビデオ会議とは?

定義:ビデオ会議とは、日本国内だけでなく世界各地にいる参加者と対面式でオンライン会議を開催する、魅力的でインタラクティブなツールです。 ビデオ会議とは何か、その起源は何か、最新のソリューションに求められるものは何かを探ります。

ビデオ会議の例:ノートパソコンでオンライン会議に参加

かつてはグローバルな大企業のためのものだったビデオ会議は、その後、個人やあらゆる規模の企業で、つながりを保つために爆発的に普及しました。 リモートワークやハイブリッドワークが増える中、コラボレーションを促し、より良い関係を築き、生産性を高めるためにこのテクノロジーを利用する人が増えているのも不思議ではありません。

実際、Dimensional Research の最近の調査では、毎月の出勤日数が 10 日未満になるだろうと答えた回答者が 57 %に及びました。また 98 %の回答者が、今後の会議にはリモートからの参加が含まれると考えています。つまり、出社していても出社していなくても、今後はビデオ会議ソリューションが必須になると考えられます。

現在の状況と今後の働き方の方向性を考えると、ビデオ会議は確実に定着することでしょう。 その概要、仕組み、そしてお客様のビジネスに最適なソリューションの見つけ方についてご紹介します。

ビデオ会議の定義

ビデオ会議(ビデオミーティング、仮想会議、Web 会議と呼ばれることもある)は、ライブ映像や音声を通して、オンライン環境で 2 人以上の参加者で実施する会議です。 参加者は、Web、デスクトップ、モバイル、ビデオシステムからビデオ会議ソフトウェアを利用してつながり、離れていても同じ部屋にいるような感覚でコミュニケーションできます。

ビデオ会議は、複数の場所に分散している同僚、顧客、パートナー、あるいは友人と会うための魅力的で費用対効果の高いアプローチです。 人と対面で会うことができるのに、移動の必要がないからです。 また、画面共有、デジタルホワイトボード、チームチャットなどの機能により、バーチャルコラボレーションを成立させるために必要なインタラクティブ性が提供されます。

ビデオ会議の仕組み

ビデオ会議は、IP ネットワークを介した映像や音声を通して複数の人を仮想的に接続します。 ビデオ会議の主要な要素は次のとおりです。これらは、誰にとってもすぐに準備できるものであるため、個人でも企業でも、簡単に始めることができます。

  • インターネット接続 :最適な画質と音質を得るため、信頼性が高く安全な高速インターネット接続を推奨します。
  • ビデオ会議プラットフォーム:ソフトウェアの機能が豊富であれば、高度なオンライン会議体験がもたらされます。無料のビデオ会議ソフトウェアも多数ありますし、企業規模に応じたさまざまなプランも提供されています。
  • コンピュータまたはデバイス:ビデオ会議ソフトウェアは、デスクトップ、ノートパソコン、モバイル機器、ビデオシステムで動作し、オンライン会議の開催や参加のための多くのオプションが用意されています。
  • ビデオカメラ:ノートパソコンやモバイル機器などのデバイスに内蔵されていることが多いですが、スタンドアローン型のウェブカメラやビデオシステムを利用すれば、あらゆる場所で最適なビデオ体験を実現できます。
  • スピーカーや電話システム:ビデオ会議への音声接続には、Voice over Internet Protocol(VoIP)を使ってデバイス内蔵スピーカーを利用するか、携帯電話や電話システムでダイヤルイン接続します。 周囲の雑音を抑えるためにヘッドセットもお勧めです。

ビデオ会議の進化

ビデオ会議システムの歴史は、20 世紀初頭、テレビやラジオなどの技術に関連する研究のなかで、これらの通信にライブ映像の配信を追加しようとしたのが始まりでした。 しかし、1990 年代以前に開発されたビデオ会議ソリューションは、運用に費用がかさみ、フレームレートも低く、現実とはほど遠い画質という、実用性に欠けるものでした。

1990年代に登場したインターネットプロトコル(IP)によって、ビデオ会議はようやく実現可能となりました。 参加者はインターネットに接続された PC でリアルタイムでチャットできるようになり、オンライン交流に新たな一面が加わりました。

その後、インターネット接続環境が改善されるにつれ、HD(1920x1080ピクセル)以上のディスプレイに対応するなど、より高品質な映像配信が可能になりました。ノートパソコン、デスクトップパソコン、スマートフォン、タブレット、専用ビデオシステムのどれを使ってもビデオ会議に接続できるようになりました。

かつては、主に大企業が全世界の従業員をつなぐために使っていたビデオ会議システムでしたが、2020 年のパンデミックでリモートワークが急増してから、ビデオ会議は広く普及するようになりました。オフィスへの出社は増え始めていますが、完全なリモートワークや、自宅とオフィスの両方を活用したハイブリッドワークを実践している人も少なくありません。 そのため、ビデオ会議ソフトウェアは、教育、医療、金融、スポーツなど、あらゆる業界のあらゆる規模の企業で今でも広く利用されています。

ビデオ会議のユースケース

ビデオ会議は一般的に、バーチャルチームやリモートチームをつなぐために使用されます。さらに社内ディスカッション、チームのコラボレーション、クライアント向けのプレゼンテーション、セールスデモにも、オンライン会議は活用できます。 世界的なパンデミック以降、ビデオ会議は、オンライン飲み会、同窓会、さらには遠方のゲストを結婚式に招くなど、個人的な社交イベントにも利用されています。

ビデオ会議の最も一般的なユースケースをいくつか見てみましょう。

1 対 1 の個別ミーティングやチームミーティング

チームとの頻繁なコミュニケーションが今まで以上に重要なものとなっています。 従来のオフィス環境では、チームメンバーとその場で会って話すことができますが、リモートで働いていると、同僚や上司との定期的な交流がないと、疎外感を感じるようになるかもしれません。 ビデオ会議は、週 1 回のチームミーティングや 1 対 1 の個別ミーティングを開くためによく利用されます。これは、会社の重要な最新情報やビジネス構想を共有しながら、つながりを保つことができる素晴らしい方法です。

採用面接

採用担当者が候補者の対人スキルや文化的な適合性を評価する上で、非言語的なしぐさなども面接プロセスの重要な部分です。 しかし、面接は次第にオフィスではなくオンラインで行われるようになっています。 ビデオ会議を使えば、オンラインであっても互いに顔を合わせて話すことができます。また面接のために移動する必要もなく、採用チームと候補者の両方にとって、スケジュール調整が容易です。

セールスデモ

客先に出向かなければ、お客様との接点を持つことができなかった時代は終わりました。 ビデオ会議の方が効率的に、そして効果的に、セールスプレゼンテーションやデモをすることができます。 パワフルな画面共有機能のおかげで、製品のプレゼンテーションやライブデモを簡単に共有でき、参加者全員にまるで最前列の席で見てもらっているような体験が得られます。

オンライントレーニング

ビデオ会議を使用すれば、出張や事前録画を必要とせず、大人数をリアルタイムに集めて社内外の研修を開催できます。 インタラクティブ機能により、参加者は質問をしたり、投票に答えたり、ディスカッションに積極的に参加したりでき、より効果的なトレーニングが可能になります。

協力会社との会議

社外のパートナーやベンダーとの定期的なコミュニケーションは、ビジネス全体にわたってプロジェクトや業務を管理する上で欠かせません。 しかし、ファイアウォールの外側にいる社内外の参加者とコラボレーションするには、セキュリティの層を厚くする必要があります。 ビデオ会議プラットフォームは、高い機能性や信頼性に加えて、強固なセキュリティや暗号化を備えているため、社外のベンダーとのコミュニケーションに役立ちます。

ビデオ会議のメリット

パンデミックによってリモートワークへと急激に移行したことで、ビデオ会議は必需品となりました。現在では、ビデオ会議がもたらす長期的価値を企業が認識し始めています。 その中には、不動産や出張費の削減、従業員の生産性向上、従業員満足度の向上などが含まれます。

企業だけでなく従業員もビデオ会議の恩恵を受けています。 スケジュールの柔軟性、通勤時間の短縮、ワークライフバランスの改善などを考えると、従業員がリモートワークの継続を期待し始めるのは当然です。

Dimensional Research による研究で、次の結果が出ています。

  • 99 %が、リモートワークにはメリットがあると答えています。
  • 57 %が、出社を強制されるのであれば、現在の勤務先を退職することを考えると回答しています。
  • 47 %が、リモートワークによって仕事の生産性が上がったと考えています。

この結果と、毎月の出勤日数が 10 日未満であってほしいと考えている人が 57 %いるという結果を考え合わせると、従業員の生産性、モチベーション、定着率を確保するのにビデオ会議が必要であることは明白です。

事業コストの削減

企業はビデオ会議により、会議や顧客訪問のための出張を削減することで、大幅なコスト削減を実現できます。

また、コラボレーションツールを活用したリモートワークやハイブリッドワークの増加により、大規模な本社やサテライトオフィスの必要性は低下しています。 オフィスの削減や統合も、企業にとって、事業コスト節約の大きな要因となっています。

強い関係の構築

ビデオは、遠隔地にいるチーム間の物理的な壁を取り除き、同僚との関係を強化するための強力かつ効率的なツールです。 ビデオを活用してオンライン会議に参加している人たちが、多大なメリットを報告しています。 同僚と協力しやすいと答えた人が(ビデオを活用しない場合の) 2.4 倍、同僚との共感が高まったと答えた人が 2.6 倍です。オンライン会議でビデオをオンにして参加することで、より効果的なチームコラボレーションが可能になることは調査結果から明らかです。

誰もが、どこにいても参加できるようにしましょう。

ビデオ会議の魅力1 つは、世界のどこにいてもリアルタイムで対話ができることでしょう。 新たな地域にまで顧客や見込み客を拡大できるだけでなく、全世界のチームを簡単に集合させられます。

たとえばリアルタイム翻訳などの機能で、あらゆる地域や言語の人々がオンライン会議に積極的に参加できるようになります。

ビデオ会議に求められる機能

ビデオ会議ソフトが備えている機能は年々高度化し、同じ部屋にいるよりも優れた体験ができるようになっています。 ビデオ会議の基本機能と、コラボレーションのレベルを引き上げる高度な機能について見てみましょう。

HD ビデオと音声

高品質な映像と明瞭な音声による接続は、優れたオンライン会議体験のための基本要素です。 高度な機能としては、ネットワーク環境が悪くても誰もが十分に参加できるように、自動的に映像や音声の品質を最適化する機能などがあります。

画面共有

リッチコンテンツやデスクトップ画面の共有により、全員の理解が進みます。プレゼンテーションやブレーンストーミングセッション、共同編集をリアルタイムで行うことができます。イマーシブシェア(プレゼンター合成)機能では、プレゼンテーションにビデオストリームをオーバーレイし、参加者が発表者とコンテンツの両方を同時に見ることが簡単になります。

背景ノイズの除去

在宅で、あるいは喫茶店、空港などの騒がしい場所で仕事をする人が増えている中、気が散る背景音を取り除くことは非常に重要です。 最も進んだビデオ会議ソリューションでは、さらに高度なコントロールも可能です。他の参加者と同じ部屋にいたとしても、自分の声だけ、または複数の声の明瞭度を最適化することができます。

バーチャル背景

ビデオ会議ソリューションでは背景を変更することもでき、提供されている背景テーマを使うことも、背景をぼかすことも、独自の画像をアップロードすることもできます。 バーチャル背景を使うと、会議の参加者が背後に気を取られることなく、会議に集中できるようにします。

録画と文字起こし

設定されたミーティング時間に参加者全員が集まれないこともよくあります。ビデオ会議ソフトウェアにより、共有しやすい MP4 形式で会議を録画し、自動文字起こしもできるので、参加者全員に送って後で見直すことができます。

字幕とリアルタイム翻訳

聞き取りの難しい場所にいる参加者がいても、字幕機能があればオンライン会議についていけます。 より高度なビデオ会議ソリューションはリアルタイム翻訳も備えており、言語の壁をなくして世界中の人が参加できるようにします。

カレンダー連携

多くのビデオ会議は事前にスケジュールされます。Google や Outlook などの一般的なカレンダーシステムと連携させると、自分のスケジュールの管理や同僚のスケジュールの確認が容易になります。 カレンダーで新規ミーティングを作成したら、ビデオ会議の詳細をクリックして追加し、参加者に送信するだけです。 すべてカレンダー画面のなかで完結します。

投票と Q&A

投票や Q&A などのインタラクティブな機能は、参加者の興味を引き出し、大規模なビデオ会議であっても全員が積極的に参加できるようにします。

セキュリティ

ミーティング内の発言は、あくまでミーティング内にとどまる必要があります。 データの安全性を保ち、望ましくない侵害を避けるため、ビデオ会議プラットフォームは強力な暗号化、データコンプライアンス、高度なプライバシー設定が必要です。

AI アシスタント

市場にある高機能なビデオ会議ソリューションには、ミーティングの生産性を高める、AI を活用した機能が搭載されています。 声で指示するだけで、AI ミーティングアシスタントにメモを取らせ、重要なハイライトを確認させ、アクションアイテムをフォローアップさせることができます。

最適なビデオ会議プラットフォームの選び方

現在、多くのビデオ会議ソリューションが市場に出回っていますが、すべてが同じように作られているわけではありません。 適切なソリューションは、使いやすく、インテリジェントで、拡張性があり、そして何より安全である必要があります。 最高クラスのベンダーを特定するために考慮すべきいくつかの質問を、以下に示します。

拡張性がありますか?

お客様が個人事業主であっても数千人の従業員を擁する企業であっても、お客様と共に成長できるソリューションが必要です。 現在のニーズに合致し、将来のニーズに対応できる拡張性を備えたソリューションを選択しましょう。

Webex には、会議、電話、またはその両方が必要な場合でも、小規模事業者向けの費用対効果の高いプランのほか、手軽に始められる豊富な無料プランをご用意しています。 また、お客様の成長に合わせて調整できる、よりカスタマイズされたエンタープライズプランもご用意しています。

ソリューションの安全性は?

セキュリティはビデオ会議ソリューションの中核でなければなりません。データ共有からオプトアウトしたり、保護されるよう設定を変更するような操作は、ユーザー側の責任ではありません。 また、ユーザーデータが第三者に販売されることも、あってはなりません。 Webex は、これらの原則を強く意識してプラットフォームにセキュリティを設計段階から組み込んでおり、お客様は保護されていることを確認して安心できます。

プラットフォームの信頼性は?

オンライン飲み会や社交イベントに使うビデオ会議ソリューションは、必ずしも高機能である必要はありません。 しかし、重要なビジネスミーティングや顧客へのプレゼンテーションを行う場合、信頼できるソリューションを選ぶ必要があります。 だからこそ、ビデオ会議プラットフォームの性能と信頼性が非常に重要となります。

WebexはCiscoのバックボーン上に構築されているため、パフォーマンスにおいても高い信頼性が発揮されます。また、オフィス、自宅、外出先など、あらゆるネットワークに対して自動的に最適化することで高品質な映像・音声を提供します。

使いやすい体験を提供できますか?

使い勝手の良さは、間違いなくビデオ会議ソリューションの最も魅力的な品質の1つです。正しく使用すれば、テクノロジーを気にせずに目の前の会話に集中できるシームレスな体験が得られます。

Webex はシンプルで使いやすいインターフェイスで設計されており、どのデバイスでも手軽にコラボレーションができます。 ボタンを押すだけで、お客様と出席者は数秒で会議を開始したり、参加したりすることができます。 業界トップの AI と音声機能により、指一本動かさずに会議のメモを取ることも、会議を録画することも可能です。

運用管理は容易ですか?

継続的な管理、運用、分析は、ビデオ会議プラットフォームには欠かせない部分です。 Webex は、ワンストップで簡単に運用や管理ができるソリューションを備えているため、数分で本稼働を開始できます。

第三者からの評価

ベンダーを評価する際、自宅、オフィス、外出先で安全な接続を確保する必要がある場合、「十分良い」オンライン会議を利用できるというだけでは評価されません。

会議ソリューション分野の Gartner® Magic Quadrant™を、ビデオ会議のトップベンダーを調べる際の参考資料としてご活用ください。Gartner 社はCisco を会議ソリューション分野のリーダーとして指名しており、今回で 15 回目になります。

Gartner 社が提供している会議ソリューションに関する Magic Quadrant のスクリーンショットです。ここには、主要なビデオ会議システムベンダーが配置されており、Microsoft、Zoom、Cisco は右上にあります。